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山本 高樹

語ろ具ライターによるオリジナル記事です。

昭和ヂオラマ裏話その5 雪国の市

今回の裏話は、「昭和ヂオラマ劇場」第三幕「雪国の市」にまつわるお話。北国に旅立ったきっかけから始まります。


@nifty動画サイト「昭和ヂオラマ劇場」という作品。この雪国の風景を制作するために僕は北国をまわり、取材してきたのです。その時の旅の話をしていきます。

■古い町並みを探して
90年代初頭のことです。その頃テレビCMや博覧会の映像の美術の仕事をしていたのですが、どうも自分の居場所はここではないなーと感じながら、気持ちのこもらないその場しのぎの仕事をこなしておりました。


新潟県長岡の商家のたたずまい(90年代初頭)

ある日書店で「民家巡礼」という本に出会いました。昭和30〜40年代の各地の萱葺き民家や蔵の町を訪れ取材した貴重な写真で構成された内容なのですが、その写真の風景に一発で魅了されてしまいました。現在もこの風景が残されているかどうかわかりませんが、見られるものなら見てみたいと、その著者の取材の足跡を辿る旅に出ることにしました。


長い時間、風雪に耐えた古い町並みが続く


雁木の下の風景。看板類が楽しい。

北は青森から、日本海側を秋田、山形、新潟と下って、休みのたびに鉄道に乗ってはいくつもの町を訪れました。高度経済成長後の日本ですから、地方といえども様変わりしていて、本のままの風景もほとんど残っていないことも多かったです。しかしローカルバスを乗り継いで観光地でもない鄙びた集落に辿りつき、そこに30年前の写真のままの風景が残っている様に出会った時の感動は今でも忘れられません。


昼なお暗い狭い通路

まだ、どうやって作ればいいのかわかりませんでしたが、いつかはこの風景をヂオラマに作りたいと思い沢山の写真を撮りました。当時20代半ばくらいでしたから、ぼくの行動はまわりの友人にも理解されませんでしたね(笑)。

実際ヂオラマ作品を作り出したのは、会社をやめた2001年からですから、ずいぶんと時間も経ってしまいましたが、自分の中ではイメージも醗酵して、それなりの技術も身についたので遅くはなかったのかなと思います。何より時代も移り変わって、ぼくの作品を喜んでくれる人たちが多くなったのが嬉しいですね。

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