語ろ具TOP の下の階層の 芸術・文学 の下の階層の 木馬亭(1)…浅草の芝居小屋より祈りをこめて(前編)

芸術・文学

美術、音楽、本や作家の話題など、インタビューや体験レポートでご紹介していきます。アートの世界。皆さんも始めてみませんか?

桑島 まさき

語ろ具ライターによるオリジナル記事です。

木馬亭(1)…浅草の芝居小屋より祈りをこめて(前編)

阪神・淡路大震災から13年。あの震災が忘れられないよう行われた東京、浅草で開かれたイベントのレポートです。

夥しい数の尊い生命を奪った1995年1月17日の阪神・淡路大震災。13年目の今年、同日、地震列島日本に住む私たちが震災の記憶を忘れないように、かつ亡くなられた方々のご冥福を祈り、絶望を乗り越え強く生きる被災地の方々を励ますために、特別な催しが行われた。東京浅草、90年の歴史をもつ芝居小屋「木馬亭」で開催された劇団「お笑い浅草21世紀」の一日だけの群読公演をレポートする。

■喜劇役者たちの挑戦
1月17日、東京は底冷えのする寒さだった。13年前の朝もこのように冷気に包まれていたことだろう。1995年1月17日、午前5時46分、兵庫県南部を襲った大地震の日だ。多くの人々がまだ眠りの最中、突如轟音と共に大地をつきあげるような激しい揺れが襲った。何が起こったのかわからぬまま、夥しい数の人々が無念のうちに亡くなった。死亡者の96%が圧死だったという。

この大災害関連の書籍は多い。その一つに、詩人で自身も被災者である車木蓉子(くるまぎ ようこ)さんの原作『五十年目の戦場 神戸』がある。この原作を元に、演出家の大谷潔(おおたに きよし)さんが企画し、劇団太陽族主宰の岩崎正裕(いわさき まさひろ)さんが台本をかき、大震災の翌年の96年、兵庫県で群読公演が実現した。東日本での公演はかつてなかった。
だが、日本列島は各地で日々、揺れている……。

木馬亭
劇団「お笑い浅草21世紀」座員のおののこみちさんは、知り合いの大谷さんから「いつかは東京で実演して欲しい」と台本を渡されていた。いつかは、という思いに火がついたのは昨年12月。企画を座長の橋達也(はし たつや)さんに通し、実現した。
それが、阪神・淡路大震災をテーマにした群読「いいつたえ くちつたえ 2008浅草 阪神大震災から13年〜心の記録」だ。浅草・木馬亭での定期公演(毎月中旬の日曜日〜次の日曜日までの8日間公演)中であったが、災害の記憶が風化しないように、おののさんが座員によびかけ若手メンバーを中心に稽古を重ねてきた。
すぐそばには、浅草寺五重塔がみえる
爆笑軽演劇の劇団だ。芸を競うかのごとくハジけるように演じている個性的な座員たちにとって、悲惨な記録を大まじめに、笑いをヌキにして演じるのは、正直難しい。
ちなみに「群読」とは、皆で声を合わせて読むこと。一人でよむ「朗読」と違う。皆の思いや呼吸が一つにならなければならない。だが、誰かが伝えなければならない。そんな思いから喜劇役者たちは挑戦した……。

サイトの現在地は

  1. 語ろ具 TOP
  2. 芸術・文学
  3. 【桑島 まさき】木馬亭(1)…浅草の芝居小屋より祈りをこめて(前編)
デキる大人の資産運用
提供:野村證券  8月11日(月)更新

第8回:今からでも間に合う株主優待