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史嶋 桂

語ろ具ライターによるオリジナル記事です。

JRTの歴史的背景〜ジャックラッセルテリア飼育奮闘記その27

見た目が可愛いジャックラッセルテリア(JRT)ですが飼ってみてはじめてわかるその性格については、この犬が生まれてきた背景を知ると「なるほど」と理解できるかもしれません。今回は小さな体に秘められたJRTの歴史のご紹介です。 そして、JRTを飼っているからこその悩みをお持ちの方、他の読者の参考にもなりますので、ご質問やお問合せは、ぜひこの記事のコメント欄にお書きください。コメントは匿名(ニックネーム)でokですから、お気軽にどうぞ。(編)

「ジャックラッセルテリア飼育奮闘記」をまとめてご覧になりたい方は、 編集部おすすめコーナー「ジャックラッセルテリア飼育奮闘記」 からどうぞ。


ジャックラッセルテリア(JRT)という犬が作られた背景には、害獣と見なされ続けたキツネ、民衆に奉仕する貴族と聖職者、その走狗となって働く犬たちと言う4つの側面があると思う。愛玩犬のように可愛い外観にも関わらず生粋の猟犬と言うのが、JRTが誤解されやすい一番の原因かも知れない。

今回は、いろいろ大変な事は分かったけど、やっぱり可愛いジャックラッセルテリア(JRT)を飼ってみたい、あるいはすでに飼っているけど、やっぱり大変だった、と言う方向けに、そもそもJRTとはどんな犬なのかと言うことと、実際にマイロとジャンという2匹のJRTを飼ってみて僕が経験した中から「普通の愛玩犬とはここが違う」「飼うには最低限こういう事が必要」と感じた事をまとめてみました。
それぞれに関連する記事のリンクも設けましたので、より詳しい情報への見出しとしてもご活用ください。

■ジャックラッセルテリア(JRT)とはどんな犬か?
JRTの元々の出自を考えると、この犬が小型犬にも関わらず、なぜこれほど気性が激しく活発なのか理解できると思います。 JRTはキツネと言う捕食動物を狩るための猟犬として、この犬の作出者、ジョン・ラッセルさんと言うイギリス人牧師が19世紀の中頃に育種した犬です。仏教徒である僕は、聖職者である牧師さんが殺生=狩をする、と言う事に違和感を覚えますが、そもそもキツネ狩りと言うのはイギリスの伝統的年中行事なのです。

■イギリスのキツネ狩りとは?
クリスマスの翌日のボクシングデーに、イギリスのカントリーサイドで毎年行われるキツネ狩りは、農地を荒し、小家畜を襲うキツネの害を防ぐため、キツネの個体数を減らすと言う意味と、貴族が馬術や狩猟技術、狩猟犬の性能を維持すると言う側面、さらにイギリス国内の貴族や名士たちの社交的な行事と言う側面すらあります。さらにキツネ狩りは、カントリーサイドに住む農民に、雇用の機会とレジャーを提供し続けているイギリスの伝統文化でもあるのです。イギリス及び欧米のキツネ狩りの詳細は、英語版のWikipedia(インターネット上のフリー百科事典)の「Fox hunting」 に詳しい情報があります。

イギリスにおけるキツネ狩りは、美々しく着飾ったスカーレットレッドの乗馬服のハントマンが馬上「タリーホー」とかけ声をかけ、勢子たちがラッパを吹き鳴らし、何十頭ものキツネ狩猟犬が吠えながら駆け、貴族や各界の名士が馬に乗って荒野を疾駆すると言った、英国の勇ましい伝統文化でもあるのです。日本で類似の行為を捜すなら、江戸時代に大名が行った鷹狩りがそれに当たるでしょうか。
イギリスのキツネ狩りは、最終的に犬によってキツネを咬み殺させると言う残酷さゆえ、これまでも何度か規制法案がだされ、2004年にイギリスの国会で一旦禁止法案が可決されました。しかし法案成立によって約1万人と言うキツネ狩りの狩猟従事者が失業の危機に直面し、約300の犬舎で大量の犬たちが路頭に迷う事態に陥りました。
最終的には猟犬がキツネを咬み殺す前に銃殺する事を義務付けたことで、キツネ狩そのものは存続する事になりました。この様にイギリスのキツネ狩りは、およそ300年前から現在まで続くイギリスの伝統的な年中行事なのです。

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