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定年後のマネープラン

定年を迎える方が「安心」と「満足」を得るための資産管理術

松木 千賀子

語ろ具ライターによるオリジナル記事です。

遺言と遺言信託、成年後見制度(セカンドライフに向けて〜24)

1年間にわたって豊かなセカンドライフを過ごすためのマネープランについての話題をご提供してまいりましたが、人生の最後を託すための遺言のテーマで、「セカンドライフに向けて」シリーズは最終回です。せっかく有効に使ってきたご自身の資産です。最後までしっかりと見守ってください。 (編)

前回はいかに相続対策が大切かというお話でしたが、今回はマネープランの締めくくりとして、相続人が争うことなく安心して資産を継承するための対策である遺言と遺言信託、また高齢による判断力の低下に対応するための成年後見制度をご説明しましょう。

< 遺 言 >
遺言とは、自分の死後の財産処分などについて意思を表示することをいいます。日本では、遺言を書き残すことは、これまであまり一般的ではありませんでした。自分がいなくなることを想像するだけでも抵抗があるのに、さらに誰にどの財産を相続させるかを考えるのはどうも気が進まないという人が、まだ多いのではないでしょうか。

しかし、相続人が複数いれば財産の多寡にかかわらず争いが起こる可能性はあります。残された資産のほとんどが分割しにくい不動産の場合などでは、その可能性が一層高まります。無用な争いで相続人間の関係を悪化させないためには、継承内容を具体的に書き残しておくことが望まれます。

では、遺言はどのように作成すればよいのでしょう。

■作成方法
遺言は書面で作成することが法律で決められています。ビデオやカセットテープに残しても認められません。遺言の方式は、通常の状況で作る「普通方式」と、船舶遭難等の緊急時に作る「特別方式」に大きく分かれますが、ここでは一般的な普通方式をみていきましょう。普通方式には、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3つがあります。

自筆証書遺言
最初から最後まで自分の手で書くことが原則です。筆記用具と印鑑だけで作成できるので最も簡単な方法ではあるのですが、日付・署名・捺印は必須で、訂正方法にも細かい規定があるなど、所定の要件を満たしていないと無効になる可能性があります。自分で保管しておくため、遺言書の存在に気づかれない、また紛失や偽造のおそれなどもあります。作成時には不備がないよう文例集を参考にしたり、弁護士や司法書士などに相談する、作成後は信頼のおける人に預かってもらうか遺言書の存在くらいは知らせておくなどの対策が必要でしょう。また、遺言者が亡くなった後、自筆証書遺言を見つけた相続人や保管していた人は、家庭裁判所で検認の手続き(相続人全員に遺言書の存在を知らせるため、また遺言書の状態などを確認し、偽造・変造を防止するための手続き)をとらなくてはなりません。

公正証書遺言
遺言者が口述した遺言の内容を公証人に書いてもらいます。公証人に作成してもらうため内容に不備があることはなく、また原本は公証役場に保管されるので紛失や偽造のおそれがない最も安全な方法といえます。ただし、公証人に遺言書を作ってもらったり、2人以上の証人の立会いが必要なため手間と費用がかかります。証人は遺言の内容を確認するので、知られたくない人には証人をお願いできませんね。また、以下の人たちは証人になることはできません。

・未成年者
・財産を相続することが推定される人、遺言によって財産の贈与を受ける人およびその配偶者ならびに直系血族
・公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び使用人

秘密証書遺言
自分で書いた遺言書に署名、押印し、封印したものを公証人に公証してもらうというものです。2人以上の証人立会いのもと公証するため、誰にも内容は知られずに、遺言書の存在だけを明らかにできます。ただし、公証人や証人への手数料がかかり、また遺言書の保管や内容の有効性については、自筆証書遺言と同様の注意が必要になります。

それぞれのメリット・デメリットを比較して、自分に最も適した方法で作成することになります。


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